シマノCUESメンテの罠|3倍長持ちさせる整備士直伝の調整&注油術

 - シマノCUESを搭載したクロスバイクを整備士が点検している様子

こんにちは、RIDE HACKs編集長の「TAKE」です。

2026年モデルのキャノンデールQuickをはじめ、最新のクロスバイクに続々と採用されているシマノの新型コンポーネント「CUES(キューズ)」。「これまでのパーツより3倍長持ちする」というキャッチコピーに惹かれて購入した方も多いのではないでしょうか。

整備士の私から一言、警告です。
「3倍もつなら、手入れも3分の1でいいんだよね?」と思ったら大間違い。実はCUESの「リンクグライド(LG)」規格は、これまでの常識でメンテナンスすると、その圧倒的な寿命をドブに捨てることになりかねません。

今回は、CUES搭載車を10年持たせるために絶対知っておきたい「専用の注油術」と、自分で調整する時に初心者が必ずハマる「Bテンションの罠」を、整備士の視点でぶっちゃけます。

目次

なぜCUESは「ノーメンテ」だと寿命が縮むのか?

リンクグライドの「分厚い歯」に隠されたデメリット

 - リンクグライド規格の肉厚なスプロケットに汚れが溜まっている様子

CUESの核心技術である「リンクグライド」。スプロケット(後ろの歯)を横から見ると分かりますが、これまでのギア(HG規格)よりも圧倒的に肉厚で作られています。これが「3倍の耐久性」の正体です。

しかし、整備士の現場で実車を見て気づいたことがあります。「歯が厚い分、隙間に汚れが溜まりやすく、一度入り込むと抜けにくい」のです。

汚れ(砂や金属粉)が溜まったまま走り続けると、それが研磨剤のような役割を果たし、自慢の肉厚な歯をガリガリと削ってしまいます。せっかくの「3倍」が、メンテナンス不足のせいで「1倍以下」になってしまうのは、本当にもったいない話です。

注油のタイミングは「音」で判断してはいけない

これまでの自転車は、チェーンの油が切れると「チャリチャリ」と高い音がして知らせてくれました。しかしCUESは、チェーンとギアの噛み合わせが非常に深い設計のため、油が切れても音が鳴りにくい特性があります。

「音がしないから大丈夫」と放置していると、内部で摩耗がどんどん進みます。CUESに限っては、走行距離300km、または雨天走行後には、音がしていなくても「儀式」として注油を行うのが正解です。

特に、整備士の私がCUESに一番推奨している 高耐久なウェットオイル(フィニッシュライン) を注してあげると、金属同士が擦れる嫌な感触が消え、驚くほど走りが滑らかになりますよ。

🔧 必要なパーツ・工具をチェックする

シマノ公式でCUESの仕様・マニュアルを見る

【実践】CUES専用の洗浄&注油ステップ

 - 自宅でクロスバイクのチェーン洗浄を行っている様子

CUESの性能を引き出すためのメンテナンスは、以下の手順で行います。ポイントは「パーツ選び」です。

チェーンの洗浄(古い油を落とす)

まずはパーツクリーナーやチェーンクリーナーで古い油と砂を落とします。CUESのギアは隙間が狭いので、毛足の長いブラシを使い、奥の汚れを掻き出すのがコツです。

専用チェーンの確認(ここが重要!)

CUESは、9速・10速・11速のどれであっても「11速用のチェーン」を使用します。ここ、初心者が一番間違えるポイントです。「9速だから安い9速用を買おう」は絶対にNG。変速不良や歯飛びの原因になります。

注油(ウェットタイプがおすすめ)

CUESは高トルクに耐える設計なので、私はサラサラしたドライタイプよりも、少し粘り気のある「ウェットタイプ」のオイルを推奨しています。肉厚な歯をしっかりと油膜でコーティングしてあげましょう。

整備士が厳選!CUESに最適なチェーンオイルTOP3

CUESの「リンクグライド」規格は、通常のギアよりもチェーンと歯の接触面が広いため、油膜切れを起こしにくい粘り強さと、汚れを抱き込みにくいクリーンさのバランスが重要です。現場で使い倒してわかった、相性抜群のオイルを紹介します。

製品名 タイプ CUESとの相性 特徴
フィニッシュライン
ウェットルブ
ウェット ★★★★★ 極圧性に優れ、CUESの分厚い歯を最強の油膜で保護。通勤・雨天走行に。
ワコーズ
チェーンルブ
ハーフウェット ★★★★☆ 浸透力が抜群。CUESの深い駒の内部まで素早く届き、汚れも付きにくい。
マックオフ
C3セラミックウェット
セラミック ★★★★☆ 摩擦抵抗を極限まで低減。CUES特有の「重さ」を感じさせない滑らかな走り。

TAKEのワンポイントアドバイス
CUESを街乗りや通勤で使うなら、一番のおすすめは「フィニッシュライン ウェットルブ」です。粘度が高いので、e-Bikeのような強い負荷がかかっても油膜が途切れず、スプロケットの摩耗を劇的に抑えてくれます。注油後は表面を軽く拭き取るのが、汚れを溜めないコツですよ。

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変速調整の「5クリックルール」とBテンションの数値

もし自分で変速調整に挑戦するなら、CUES特有のルールを覚えておいてください。これを知らないと、永遠に調整が終わらなくなります。

目視は厳禁!「Bテンション」は数値で管理

後ろの変速機(ディレイラー)の裏側にある「Bテンションボルト」。これまでのHG規格では「なんとなくプーリーが近いかな?」くらいの調整でも動きましたが、CUESはシビアです。

例えば、1×11速(11-45T)の場合、ガイドプーリーとカセットの隙間は「19mm」という指定があります。定規を当てるか、シマノ純正の調整ゲージを使うのが、結局一番の近道です。

締めすぎに注意!
調整ボルトを力任せに回すと、ネジ山をなめてしまうことがあります。特にCUESのボルトは初期状態で固着気味なこともあるので、抵抗を感じたら一度緩めてから再度回すなど、慎重に扱いましょう。

魔法の「5クリック戻し」手順

変速の微調整(SIS調整)もCUES専用のフローがあります。

  1. 一番大きなギアから数えて5〜7枚目のギアにチェーンをセット。
  2. 調整バレルを回して、隣のギアにチェーンが軽く当たる「シャリシャリ音」が出るまで張る。
  3. そこからバレルを時計回りに「5クリック」ちょうど戻す。

これがシマノが推奨するCUESのベストポジションです。感覚に頼らず、クリック数を数えるのがコツですよ。

初心者がやりがちな「CUESメンテナンス」の失敗例

整備士TAKEのぶっちゃけ話
「ショップに持ち込まれるCUES搭載車で一番多いトラブルは、実は『チェーンの通し間違い』なんです。CUESのディレイラーにはチェーン脱落防止のプレートがあるのですが、その外側を通しちゃってるケースが本当に多い。これだけで抵抗が激増して、100km走る頃にはプレートが削れてしまいます。掃除した後は、必ずプレートの内側を通っているか指で確認してくださいね。」

 - メンテナンスされたクロスバイクで快適に走行するサイクリスト

まとめ:CUESは「賢く手を抜く」ためのコンポ

CUESは、正しく手入れをすれば本当に「驚くほど長持ち」します。毎週末にピカピカに磨き上げる必要はありません。でも、以下の3点だけは守ってください。

  • 300km走ったら、音がしなくても注油する。
  • 交換用チェーンは必ず「LG専用」か「11s用」を選ぶ。
  • 変速調整は「5クリック戻し」を信じる。

「そもそも自分のQuick、どっちのモデルがCUESなんだっけ?」と気になった方は、こちらの比較記事でスペックを再確認してみてください。カーボンフォークとの相性についても詳しく書いています。

さらに効率よく体を絞りたい方へ
CUESのおかげでメンテナンスの手間が減ったら、その時間を「ランニング」に充ててみませんか?自転車で培った心肺機能があれば、ランニングの脂肪燃焼効率は爆上がりします。私の別ブログで、自転車乗りのためのラン開始ガイドを公開しています。

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