こんにちは。RIDE HACKs 編集長の「TAKE」です。
これから自転車通勤を始めようとしたとき、誰もが一度はぶつかる壁があります。それが「クロスバイクとマウンテンバイクの違いがよく分からない」という悩みです。お店に行くと、タイヤが太くて強そうなマウンテンバイクに心が惹かれる一方で、店員さんからはスマートなクロスバイクを勧められて迷ってしまう。そんな経験はありませんか?
実は、スペック表には載っていない「街乗りでの使い勝手」を知らずに見た目だけで選んでしまうと、駐輪場に入らなかったり、思ったよりスピードが出なくて疲れてしまったりと、後悔につながることがあるんです。
今回は、長年自転車を楽しんできた私の経験をもとに、カタログには書かれていないリアルな違いと、あなたの生活スタイルに合った選び方をお話しします。
- 見た目の違いが走行性能や疲れ方にどう影響するか
- 「歩道を走れない」法的リスクとハンドル幅の関係
- 毎日の通勤でストレスを感じないための駐輪場事情
- 自分の用途に最適な車種を判断する具体的基準
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クロスバイクとマウンテンバイクの決定的な違い5選
パッと見た感じでは、どちらも「スポーツ自転車」に見えますよね。でも、実際に乗って生活してみると、その乗り味や使い勝手は全くの別物なんです。まずは、構造や法律の観点から、絶対に知っておくべき5つの違いを深掘りしてみましょう。
タイヤの太さが決める走行スピードと段差の強さ

一番分かりやすい違いは、やはりタイヤの太さと表面の形状ですね。これが走りの性格を決定づけると言っても過言ではありません。
クロスバイクは一般的に28mmから35mmくらいのタイヤを履いています。表面はツルツル(スリック)か、少し溝がある程度です。
これは舗装されたアスファルトの上を、まるでスケートのように滑らかに転がるために設計されています。地面との摩擦抵抗が極限まで抑えられているので、信号待ちからの漕ぎ出しでも「スッ」と軽い力で加速していく感覚が味わえますよ。特に朝の通勤で急いでいる時、この軽快さは大きな武器になります。
一方でマウンテンバイク(MTB)は、50mm(約2インチ)以上の極太タイヤが基本です。表面には「ブロック」と呼ばれるゴツゴツした突起がたくさんついています。これは土や泥、砂利道にガッチリ食い込んでグリップするためのものですが、実はこれが街乗り(舗装路)では大きな抵抗になってしまうんです。
アスファルトの上を走ると、常に「ゴーッ」というロードノイズが響き、ペダルを漕ぐたびにタイヤが地面に粘りつくような重さを感じることがあります。また、雨の日のマンホールや側溝の金属蓋の上では、ブロックの突起が金属面と点で接することになり、接地面が少ないため、クロスバイク以上にツルッと滑りやすいという意外な弱点もあります。
【ポイント】
スピードと軽快さを求めるならクロスバイク。
絶対的な安定感とパンクへの強さを求めるならマウンテンバイク。
車体重量の差は持ち運びや漕ぎ出しにどう響く?

毎日の通勤で意外と響いてくるのが「重さ」です。カタログスペックの1kgや2kgの差なんて大したことないと思うかもしれませんが、毎日扱うとなると話は別です。
一般的なクロスバイクの重量は10kgから12kg程度。これくらいの重さなら、例えばマンションの駐輪場でラックの上段に乗せるために持ち上げたり、駐輪場の入り口にある数段の階段を担いで運んだりするのも、成人男性なら片手で、女性でも両手で持ち上げればそこまで苦になりません。
対してマウンテンバイクは、頑丈なフレームやサスペンション、太いタイヤがついている分、どうしても重くなります。5万円〜8万円程度のエントリーモデルだと14kgから16kgを超えることも珍しくありません。この4kg前後の差は、スーパーで売っているお米の袋(5kg)を余分に積んで走っているのとほぼ同じ感覚です。
走り出してスピードに乗ってしまえば、慣性の法則で重さはあまり感じなくなるのですが、日本の都市部は信号が多いですよね。
赤信号で止まって、青信号で漕ぎ出す。この「ストップ&ゴー」を繰り返すたびに、重たい車体をゼロから加速させるエネルギーが必要になります。これがボディブローのように体力を奪っていき、「会社に着く頃にはもうクタクタ…」なんてことになりかねません。
ハンドル幅が600mmを超えると歩道を走れない

これは自転車選びにおいて意外と見落とされがちですが、コンプライアンスや安全の観点から非常に重要なポイントです。
【ご注意:法律情報について】
本記事は執筆時点の道路交通法および警察庁のガイドラインに基づき作成しています。法律や条例は改正される可能性があるため、最終的な判断は管轄の警察署や自治体の最新情報をご確認ください。
日本の道路交通法では、自転車が「歩道」を走行できる例外的なケース(標識がある場合や、運転者が13歳未満・70歳以上の場合など)がありますが、その前提条件として自転車が「普通自転車」の定義に当てはまっている必要があります。
警察庁の定義によると、普通自転車のサイズは「長さ190センチメートル以下、幅60センチメートル以下」と定められています。(出典:警察庁『自転車の交通ルール』)
クロスバイクの多くは、すり抜けやすさなどを考慮してハンドル幅が540mm〜580mm程度に設計されており、この基準をクリアしています。しかし、最近のマウンテンバイクは、荒れた山道で暴れる車体を抑え込む操作性を重視し、700mmを超えるワイドなハンドルが主流になっています。
つまり、ハンドル幅が600mmを超えるマウンテンバイクは「普通自転車」に該当しないため、たとえ「自転車通行可」の標識がある歩道であっても、原則として走行することができません。
想像してみてください。朝のラッシュ時、バスやトラックが頻繁に行き交う狭い幹線道路。身の危険を感じて「ちょっと歩道に避難したい」と思った時に、法的にそれが許されないというのは、通勤ルートによっては大きな精神的プレッシャーになります。
これは購入前に必ずメジャーで測って確認すべき重要事項です。(ここに自転車の交通ルールに関する記事リンクを入れる)
サスペンションの有無で変わる乗り心地と疲れ方

マウンテンバイクの象徴とも言える、フロントフォークのサスペンション(バネ)。これがあるおかげで、歩道の段差や工事中の荒れたアスファルト、木の根が隆起したサイクリングロードなどでも、まるで高級セダンのソファに座っているような極上の乗り心地が得られます。
サスペンションが衝撃を吸収してくれるので、ガツン!という突き上げがなく、手首、肩、腰へのダメージが蓄積しにくいのが最大のメリットです。「腰痛持ちだけど自転車に乗りたい」という方には、このクッション性は非常に魅力的でしょう。
一方、クロスバイクは基本的にサスペンションがありません(リジッドフォークと言います)。段差の衝撃はダイレクトに来ますが、その分、ペダルを漕いだ力が逃げずにすべて推進力に変わります。
実はサスペンションには、ペダルを強く踏み込んだ時にバネが沈み込んでしまい、せっかくの力が吸収されてしまう「ボビング」という現象が起こりやすいんです。「振動による疲れを軽減する(MTB)」か、「ペダリングのロスをなくして体力温存を図る(クロス)」か。どちらの疲れを自分が嫌がるか、という選択になりますね。
どっちが速い?通勤時の巡航速度をシミュレーション

「会社まで片道10kmあるから、少しでも速く着いて、始業前にコーヒーを飲む余裕が欲しい」という場合、やはり有利なのはクロスバイクです。
私の感覚値ですが、信号のないサイクリングロードを一定のペースで気持ちよく走った時の巡航速度(維持できる速度)は、以下のような違いがあります。
| 車種 | 巡航速度の目安 | 走行感覚と疲労度 |
|---|---|---|
| クロスバイク | 時速20km〜25km | 風を切って進む爽快感がある。 軽く回していても速度が維持しやすい。 |
| マウンテンバイク | 時速15km〜20km | どっしりと進む安定感。 速度を維持しようとすると常に漕ぎ続ける必要がある。 |
片道10kmを通勤する場合、単純計算でも5分〜10分程度の差が出ることがあります。往復なら20分です。「朝の10分」は貴重ですから、この差は大きいですよね。
また、マウンテンバイクでクロスバイクと同じ速度を出そうとすると、より多くのエネルギーを使うことになります。結果として、「会社に着いた時には汗だくで、着替えと制汗シートが欠かせない」という状況になりがちです。スーツやオフィスカジュアルで通勤したい方にとっては、汗をかきにくいクロスバイクの方が相性が良いと言えるでしょう。
目的別クロスバイクとマウンテンバイクの違いと選び方
構造的な違いが見えてきたところで、次は「あなたの生活で使うならどっち?」という視点で選んでいきましょう。カタログスペックよりも、毎日の使い勝手を想像することが失敗しないコツです。
通勤距離と坂道の多さで決める最適な選択肢
自転車選びの基準として、まず明確にしたいのが「距離」と「坂道」です。
片道5km以内(自転車でゆっくり漕いで15分〜20分程度)なら、マウンテンバイクの重量やタイヤの抵抗も、そこまで大きな疲労には繋がりません。むしろ、街中の段差や砂利道を気にせず、ショートカットしながらガンガン走れる楽しさが勝るでしょう。坂道があまりない平坦なエリアなら、見た目重視でMTBを選んでも後悔は少ないはずです。
逆に、片道10km(30分〜40分)を超えるなら、間違いなくクロスバイクをおすすめします。距離が長くなるほど、タイヤの抵抗と車重が足枷になってきます。特に夏場や向かい風の日は、その差を痛感することになります。
また、通勤経路に長い上り坂がある場合も要注意です。重力は正直です。車体が軽いクロスバイクの方が圧倒的に楽に登れます。「毎日の坂道が辛くて、結局自転車に乗らなくなってしまった」という失敗を防ぐためにも、坂が多い地域にお住まいの方は、軽さを最優先に考えるべきでしょう。
泥除けやカゴなど街乗り必須装備の取り付けやすさ
スポーツ自転車といえど、通勤や通学で使うなら実用性は無視できません。雨上がりの泥跳ねを防ぐ「泥除け(フェンダー)」や、ビジネスバッグを入れる「カゴ」、コンビニに寄るための「スタンド」は、正直言って必須装備ですよね。
クロスバイクは、最初からこれらのオプションを取り付けることを想定して設計されています。フレームの各所に「ダボ穴」と呼ばれるネジ穴が用意されており、メーカー純正のオプションや、ホームセンターで売っている汎用品も簡単に、かつスマートに取り付けられます。(ここにクロスバイクの泥除けの選び方に関する記事リンクを入れる)
一方で、本格的なマウンテンバイクはあくまで「競技用」や「山遊び用」として設計されているため、スタンドや泥除けを取り付けるための台座が省略されているモデルも多いんです。もちろん、バンドで固定するタイプなどの後付けパーツもありますが、固定力が弱かったり、見た目がゴチャゴチャしてしまったりすることがあります。
「後で付ければいいや」と思って本体を買ったら、専用品しか付かず、部品代だけで数万円余計にかかった…なんてこともよくある話です。拡張性の高さでは、クロスバイクに軍配が上がります。
タイヤが太すぎて駐輪場に入らないリスクの回避法

これは私が過去に友人の相談に乗った際、一番ヒヤッとしたポイントです。駅やマンション、スーパーにある、タイヤを金属のレールや溝にはめ込むタイプの「ラック式駐輪場」。このレールの幅は、JIS規格などで決まっていることが多いのですが、マウンテンバイクの太いタイヤだと物理的に入らないことがあるんです。
一般的なラックのタイヤ幅制限は50mm〜55mm程度が多いですが、最近のMTBタイヤは2.2インチ(約56mm)以上のものも増えています。無理やり押し込むと、今度はタイヤが抜けなくなってしまったり、スポーク(車輪の細い棒)やディスクブレーキのローターをレールにぶつけて歪めてしまったりする原因になります。
また、平置きの駐輪場であっても、先ほど触れた「ハンドル幅」が問題になることがあります。隣の自転車との間隔が狭い駐輪場では、幅広のハンドルが隣の人の自転車のブレーキレバーやカゴに引っかかってしまい、出し入れのたびにストレスを感じることになります。トラブルを避けるためにも、自宅や職場の駐輪場環境のチェックは必須です。
価格相場と寿命から見るコストパフォーマンス
長く乗るものですから、お財布事情も大切ですよね。有名メーカー(GIANT, TREK, Bianchiなど)のエントリーモデルで比較すると、クロスバイクは5万円〜7万円程度から充実したラインナップがありますが、マウンテンバイクはサスペンションなどの部品点数が多いため、同等のグレードでも7万円〜9万円程度と、少し高くなる傾向があります。
【免責事項:作業は自己責任でお願いします】
本記事で紹介している整備・カスタム方法は、執筆者の経験に基づく一例です。作業に不備があると重大な事故につながる恐れがあります。
自信がない場合や、専用工具をお持ちでない場合は、無理をせず必ず自転車専門店へ作業をご依頼ください。当サイトの情報を参考に行った作業によって生じた損害・事故について、著者は一切の責任を負いません。
また、維持費(メンテナンスコスト)の面でも少し違いがあります。クロスバイクに多く採用されている「Vブレーキ」は構造がシンプルで、ブレーキシュー(ゴム)などの消耗品も安く、自分での交換も比較的容易です。
対してマウンテンバイクに多い「油圧ディスクブレーキ」や「サスペンション」は、精密機械です。定期的なオイル交換やエア抜き、オーバーホールが必要になり、これらはショップに依頼する必要があるため、工賃がかかります。もし「サスペンションが錆びて動かなくなった」となれば、交換には数万円単位の出費が必要です。
「初期費用だけでなく、長く乗るためのランニングコスト」まで含めて考えると、構造がシンプルで部品代も安いクロスバイクの方が、トータルコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
初心者が見た目だけで選んで後悔しないために
ここまで「街乗りならクロスバイクが有利」という現実的な話をしてきましたが、それでも「マウンテンバイクの無骨なかっこよさが忘れられない!」「あの太いタイヤの迫力こそがロマンだ!」という気持ち、痛いほど分かります。自転車は単なる移動手段ではなく、趣味の乗り物でもありますから、自分の気持ちが高まるデザインを選ぶことはすごく大事です。
もし、どうしてもマウンテンバイクを通勤に使いたいなら、そのまま乗るのではなく、納車時に以下の「街乗り化カスタム」をショップで相談してみるのをお勧めします。
【MTBを快適に街乗りするためのカスタム案】
- タイヤ交換: ブロックタイヤから、溝の少ない「スリックタイヤ(太さはそのままでOK)」に交換する。これだけで抵抗が激減し、驚くほど静かに、速く走れるようになります。
- ハンドルカット: 購入時にハンドルを左右数センチずつカットしてもらい、全幅を600mm以内に収める。これで法的に「普通自転車」となり、歩道走行が可能になりますし、駐輪もしやすくなります。
ショップで購入する際に相談すれば、タイヤ代と工賃を含めてもプラス1万円〜1.5万円程度で対応してくれることが多いですよ。このひと手間をかけるだけで、「見た目はワイルドなMTB、でも走りは快適なクロスバイク」という、あなただけの最強の一台(いいとこ取り)が完成します。
クロスバイクとマウンテンバイクの違いを知り決断へ
最後にまとめとなりますが、クロスバイクとマウンテンバイク、どちらが「正解」ということはありません。大切なのは、あなたの使う環境や優先順位に合っているかどうかです。
「効率よく、快適に、トラブルなく移動したい」ならクロスバイク。
「段差を気にせず、遊び心を持って、非日常感を楽しみたい」ならマウンテンバイク。
まずは、Googleマップなどで通勤路の距離を測り、自宅やオフィスの駐輪場のタイプを確認してみてください。その上で、ぜひショップに足を運んで、実車に跨ってみてください。ハンドルの幅やタイヤの迫力を肌で感じれば、きっと「これだ!」という相棒が見つかるはずです。
あなたが最高の自転車ライフをスタートできることを、心から応援しています!
この記事に関するよくある質問
Qマウンテンバイクに細いタイヤを履かせることはできますか?
はい、可能です。ホイールのサイズ(26インチ、27.5インチ、29インチなど)に合ったスリックタイヤが販売されています。ただし、あまりに細すぎるタイヤ(ロードバイク並みの25mmなど)はホイールのリム幅との相性が悪く装着できない場合があるため、1.5インチ〜1.75インチ程度の太さがおすすめです。詳しくはショップで相談してみてください。
Q街乗りでサスペンションは必要ですか?
必須ではありません。日本の舗装路は比較的きれいなので、サスペンションがなくても十分快適に走れます。むしろ、安価なサスペンションは重量増のデメリットの方が大きく感じることもあります。ただし、歩道の段差が多いルートや、手首への負担を減らしたい場合には有効です。
Qパンクしにくいのはどちらですか?
構造上は空気量が多いマウンテンバイクの方が、「リム打ちパンク(段差に乗り上げた衝撃でのパンク)」には強いです。しかし、クロスバイクでも適正な空気圧管理(週に1回程度の空気入れ)を行っていれば、そう簡単にパンクすることはありません。車種の違いよりも、日々の空気圧管理の方がパンク防止には重要です。

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